大澤「(狭山湖畔霊園の管理休憩棟建設にあたっては)墓地の永遠性にふさわしい、時を経てこそ良さが出る場所にしていただきたいと思っていました」
中村「この霊園の特徴は、周辺の森と山々のランドスケープの美しさです。これを壊さないように、低く抑えた平屋の建物を提案しました。内部空間で豊かな緑や自然を体感できること、木や石、水と光といった普遍的な要素で空間を構成することを大切にしました。
次に大事にしたのは、お客様の気持ちに寄り添うこと。実際にここからはすごく美しい景色が見えるのですが、あえて穏やかで伏せ目がちな建築としています」
大澤「窓の外に広がる水盤が素晴らしいですね。ただの水盤ではなく緑を映し出すのです」
中村「太陽光が水盤に反射して、天井に美しい水紋が現れます。トップサイドライトからの木漏れ日が雲や風の動きに応じて刻々と表情を変えます。故人と会うための場として自然現象が故人からの語りかけに感じられるような場所です」