「狭山の森 礼拝堂」は、手掛けた中村拓志氏曰く「人が祈ると同時に建築も祈るような一体感を意図して」設計された建築です。2本の柱を互いに立て掛け合う扠首(さす)構造によって、より純粋で、新しい合掌形式を実現しました。また屋根を覆うのは、川口市の鋳物職人たちと共同で開発した、大きさ180×200ミリ、厚さ4ミリのアルミ鋳物です。手曲げするために限界の薄さに挑み、製造は困難を極めました。手作りされた各板は1枚ごとに流痕が異なり、独特の味わいを見せています。
平成25年のオープン以来、訪れる人々に親しまれてきたこの礼拝堂は、国内外で数多くの建築賞を受賞し、2016年には権威あるアルカシア建築賞の最高賞「ビルディング・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。